2004.02.21~02.26 – でか山車輪新調(上塗り)



今回は地塗りを磨き上げ、上塗り作業までをお屆けします。前回は地塗り を 5 回、上塗りを 2 回と紹介しましたが、工程が変更され、上塗りは 3 回になりました。



地塗りを磨くというお話は聞いていたのですが、どのように行うのか全く知りませんでした。作業内容を拝見したところ、サンドペーパーの目の細 かいもの(ウォーターペーパーと昔呼んでいました)で磨いていくようです。



プラモデルを作ったことがある人は御存じかと思いますが、ウォーターペーパーで磨くとツルツルになります。そのかわり、ほとんど削れないので作業が大変です。古い車を FRP 加工したものがありました。。



水を使いながら磨いていきますので、どこまで磨いたのかすぐにわかりますね。見た目ではほとんどわからないくらいの凹凸を削るので磨きながら手で表面をさわり、確認していました。



こちらはまだ磨いていないものです。漆を 5 回塗ったと言っても漆自体の厚みは 1mm も無いくらいなのでこれを磨くのは慎重になりますね。このような気を使う作業が延々と続きます。



1 本磨くのに時間にして 1 時間ぐらいでしょうか。それでも再チェックしていました。このような作業の末、鏡のような美しい表面に仕上がります。まだまだ作業はつづきます。

2004.02.07~02.18 – でか山車輪新調(地塗り)



ようやく漆が乗りはじめました。まだまだ地塗りの工程です。でか山の車輪では地塗りを 5 回。上塗りを 2 回。それぞれの工程で途中に磨きがあり、最後に外駒に朱の漆を塗るそうです。



このページで紹介している状態は、4 回の地塗りが完了した状態でした。もっと早く撮影に行っていれば良かったのですが。。幾分、御容赦下さい。こうしてみるとでか山の車輪らしいですね。



光の加減をみて撮影するとより美しく見えますね。車輪を円周方向に 6 分割して漆をのせているのがわかるかと思います。とくに技術というわけではなく、あまりにも車輪が大きいので手の届く範囲で塗っているそうです。このままテーブルにしてお酒とか呑むと楽しそう ^-^;;;



それで、中央の写真が新しい車輪の化粧リングです。ちょうど軸受のところに取付られます。車輪の軸の大きさも変るので化粧リングも新調されました。



続いては地塗り 5 回目です。ここから日程が違っています。ちなみに漆アレルギーの人は漆を塗っている近くに行くだけでかぶれるそうです。お気を付けて。



漆は乾く前はちょっと茶色っぽいですね。これを少しずつへらでとり、綺麗に塗っていきます。 5 層目ですが油絵のようにベタベタ塗っているわけではありませんので塗装厚さはほとんどありません。全神経を注いで漆を重ねていきます。

2004.02.11 – 材料出し



途中参加で申し訳ありませんでした。でか山各種材料の新調作業に伴い、古い材料の蔵出しが行われました。古い心棒もこれで見納めですね。何から何まで新しくなります。



まだまだ雪の残る中の作業になりました。ご覧頂ければわかるかと思いますが、印鑰神社横の山蔵(でか山材料保管庫)も車輪新調作業に伴い、工事が進められています。



市内某所の製材所に保管されていた部材を運びだします。よくもまあこんな狭いところに保管していたものだと関心しました。風通しが良く、直射日光に当らないので最適だそうです。引出された部材の重量が半端じゃないので、台車で移動します。



この日はお昼まで天候が良く、最高の作業日和となりました。人力ばかりでは作業が進まないので一部機械にも頑張ってもらいました。機械が入ると実に作業がスムーズですね。



ちなみに、書き忘れていましたが路面が凍結していてそれを溶かすだけでかなりの時間を費しました。こんな時期からでか山の作業をしたことがないのであらためて違う苦労を感じました。

ついで印鑰神社まで戻り、作業続行です。午後は一変して天候が不安定になり、雨風の中の作業となりました。皆さん、お疲れ様でした。作業も後わずかです。ちなみにこちらの常夜燈も片方が雨風のため倒れてしまっていたので、この期に新調されることになりました。今年は本当に何から何まで新しくなります。みなさんお楽しみに。

2004.01.09~01.16 – でか山車輪新調



さて、遅くなりましたが府中町でか山車輪の新調作業のご報告です。外駒が芯材にとりつけられた状態のもの、すでにチギリを埋め込まれたものがありました。



これからチギリを埋め込まれるものは外駒もまだ大まかにしか削ってありませんでした。これから綺麗な円になるように加工されていきます。チギリを埋め込む箇所にはドリルで穴があけられていました。



チギリの形状はひとつひとつ微妙に違うので、ノミを使って丁度いい大きさに掘られていきます。数も沢山ありますので、なかなか時間のかかる作業です。外駒と芯材をつなぐ箇所にもチギリが入ります。



近付いて見るとこんな感じです。外駒と外駒、外駒と芯材を接続する場所にチギリが用意されています。外駒同士を接続するのはちょうど外駒の中心に、外駒と芯材を接続するのは外駒の丁度中心に配置されます。埋め込みが完了するとこんな感じです。つなぎ目が見えないくらいビチッとしていますね。これだけの数があるのにさすがです。あまりにも大きくて図面を引くのも大変そうです。



チギリは埋め込む穴の深さよりも高く作られているので、埋め込んだ状態で車輪よりも 3 cm くらい浮き出ています。埋め込み終了後にひとつひとつ丁寧に削っているそうです。芯材と外駒の繋ぎ目は高さが違うのでノミで掘るのも技術がいりますね。



材料はコンクリートやプラスチックではないのでどうしてもどこかが割れていたり穴が空いていたりします。全ての材料がヒビ割れのないものが揃えば良いのですが、必要となる素材の大きさ、数が半端ではないため、補強して使用します。チギリが埋め込まれたものにつきましては車輪の表面を削る作業になります。一見単純そうに見えますが、直径 2m の車輪を平らに加工するのはやっぱり難しいですよね。